2026年3月21日、春の陽光が差し込む表参道を抜け青山RizMへ。Kaori Oda 19th Anniversary Live DAY公演に足を運んだ。
ドリンクを片手にゆるやかにリズムを刻むファンたち。会場には老若男女、幅広い層が集まっている。
全体的に落ち着いた雰囲気だが、その奥には確かな熱がある。静かに、でも確実に楽しんでいる。会場はそんな“大人のジェントルな熱量”に包まれていた。
この日のライブは、コロナ禍以降久しぶりとなるスタンディング形式。さらに6年ぶりとなる新曲初披露という、特別な意味を持つライブだった。
しっとりとしたOvertureの中、ファンのクラップが鳴り響く。
続く新曲「BREAK FREE」とともに、白のジャケット姿の織田かおりが爽やかな笑顔で登場。襟元のビジューがライトに輝き、伸びやかな高音の軽快なナンバーで一気に空気を掴む。

6年という歳月は、単なる空白ではない。その間に蓄えられたエネルギーが、1曲目で一気に解放された。
間髪入れず「Maze」
ベースとドラムの重厚な音が響き、イメージは一転。ギターソロも冴え渡り、“かっこいい織田かおり”という側面を印象づける。
最初のMCでは開口一番「花粉すごくない?」と笑いを誘いながら「花粉も吹き飛ばしたい!一緒に踊ろう!」と呼びかける。
そして「椅子なんてなきものだから、最後までついてきてください!」この言葉が、久しぶりのスタンディングライブの空気を象徴していた。
新曲「Lure」は夜のドライブを思わせるイントロ。透き通る歌声が心地よい。
続いてこちらも新曲「melt」は夜のバーで聴きたくなるようなムード。サビの手振りを自然とファンが真似し、早くもライブ定番になりそうな一体感が生まれていた。

曲調が一気に変わり「Refrain」。新曲とはまた違ったかっこよさがある。この曲は、この曲はTVアニメ『新妹魔王の契約者 BURST』のために結成されたMetamorphoseというユニットの織田のソロ楽曲である。ライブで披露するにはレアな楽曲だ。
MCでは初披露の新曲について「戸惑った?」と観客に問いかけ、「これから一緒にやっていこう」と語る。
続いてバンドメンバーの紹介も行われた。新曲3曲のサウンドプロデュースを手がけた宮野弦士を中心とした初参加メンバーがステージを支える。名前が呼ばれるたびに会場から温かい声が上がった。
1stライブからずっと織田をサポートするManipulator大平佳男が紹介されると「よしおー!」というコールが響き、4年ぶりの参戦を待ちわびていたファンの存在を感じさせた。
セットリストは年表を見ながら構成したと語られ、この日のライブが“ファン一人ひとりが出会ってきた楽曲”を辿るような意味を持つことも伝えられた。
「ゼロトケイ」では切ないメロディと歌詞に会場が静かな空気に包まれる。思わず涙しそうになるほどの表現力だった。

しかしドラムのイントロとともに空気は一変し、「Cleome」。サビに入ると観客が頭と腕を振り、会場が一気に温まる。
「ここからはあんたたちが主役だからね!ついて来れるわけ?」
「おー!」とフロアが沸く。
織田かおりが『o-oh-o oh-o♪』とフレーズを歌い、観客にマイクを向ける。
「知ってる人お手本になってくれる?」
「もっと届くように歌って」
「WORKING!!」
ファンと一体となったイントロでスタート。
「これが織田かおりのスタンディングライブ見せてやるよ!最後までついてこれる?」
「最後まで盛り上がっていくぞ!」
頼もしく煽る姿に、これぞ織田かおりというかっこよさを感じ、さらに気持ちが高まった。
ここからライブは後半戦へ。

「Blazing Star」で拳が上がり、赤いネオンとともに熱量が爆発。
「Promise」「GRASPS」と間髪入れずに続き、会場は完全に一体となる。
「せーの!」の合図で手を横に振るファン。バンドのソロパートで会場が熱気に包まれた。掛け声、振り付け、まさにこれが「スタンディングライブ」を実感できる光景だった。

そして「LOVE×∞ 2016」
ハートのネオンが灯り、かわいらしい振り付けと「かおりー!」コールが響く。
パラパラ風の振り付けもばっちりなファン。織田かおりの「ズッキュン」にハートを撃ち抜かれたのは私だけではないはず。
前半は大人のライブラウンジのような空気、後半は熱狂のライブハウスへ。良い意味で同じライブとは思えないほどの振り幅が、この日の大きな魅力だった。
アンコールでは19thアニバTシャツ姿で再登場。
「この景色がずっと見たかった」と語る織田かおり。コロナ禍でアコースティックライブが続いていた中、このスタンディングの景色と大きな声援が戻ったことへの喜びがにじむ。
「true colors」
力強い声が響き渡り、全く疲れも感じさせない。「ハイ!ハイ!」とファンも熱く応える。
MCでは次回ライブの発表もあり、会場から歓声が上がる。
「コロナでアコースティックライブが続いていたので、このスタンディングスタイルはみんなが望んでいたか心配だった。どうだった?」
「最高!」と答えるファン。
そんなやり取りからも、織田かおりの誠実さが伝わってきた。
ラストはソロデビュー曲「Brilliant World」
「当時、この曲をいただいたことで、織田かおりとして歌ってもいいんだと思えた」
そう語り、しっとりとした導入から力強いサウンドへ。伸びやかな歌声が会場を包み込む。
年表のように構成されたライブを原点の楽曲で締める展開は、ファンにとってたまらない瞬間だったはずだ。
最後に深々と頭を下げる織田かおり。
6年ぶりの新曲初披露。そして久しぶりのスタンディングライブ。
最高にかっこよく、美しく、そして芯のあるパワフルな歌声。繊細さと力強さを併せ持つ表現力に圧倒された。
静かでジェントルな熱量を持つファンとともに作り上げたこの夜は、19年の歩みを振り返りながらも、新たな一歩を刻んだ時間となった。
20周年へ向けて、新しい色を重ねていく織田かおりのこれからに期待が高まる。

織田かおり(Vocal)
宮野弦士(Guitar/Keyboard)
武宮優馬(Bass)
油布郁(Drums)
大平佳男(Manipulator)
<セットリスト>
M-00. Overture
M-01. BREAK FREE(新曲)
M-02. Maze
M-03. Lure(新曲)
M-04. melt(新曲)
M-05. Refrain(Metamorphose)
M-06. DAY:ゼロトケイ / NIGHT:Calling
M-07. World’s End Syndrome
M-08. Cleome
M-09. WORKING!!
M-10. Blazing Star
M-11. DAY:Promise / NIGHT:TRAP
M-12. GRASPS
M-13. LOVE×∞ 2016
-ENCORE-
Overture
M-14. DAY:true colors / NIGHT:PLACE
M-15. Brilliant World
【次回Live情報】
2026年12月5日/12日 Kaori Oda Live〜Singing 2026〜
2027年3月21日 Kaori Oda 20th Anniversary Live










